この記事の要点
役割分担の見直しは、職種名だけで担当を決めず、業務ごとに「実行する人・判断する人・相談する人・記録を受け取る人」を確認することから始めます。
- まず一つの業務の開始から完了までを追い、受け渡しで止まる箇所を見つける。
- 実行者と最終判断者を分けて記載し、例外時の相談先も決める。
- 小さな範囲で試し、現場の負担と情報漏れを確認してから広げる。
役割分担は何から確認すればよいですか?
医療法人の組織図には部署や役職が示されますが、患者対応、予約変更、物品管理、採用時の受け入れなど、日々の業務がどこで受け渡されるかまでは読み取れません。見直しの入口には、職員が繰り返し対応する業務を一つ選び、依頼の発生から完了までを時系列で書き出します。
各段階で「誰が気づくか」「誰が処理するか」「誰が確認するか」「どこに記録を残すか」を尋ねると、担当が重なる箇所と、誰も担当していない箇所が見えます。問題を個人の力量だけに帰さず、業務の設計として扱うための材料になります。
担当表には何を記載しますか?
担当表には、通常時の実行者に加え、判断を要する条件、最終判断者、不在時の代替先を記載します。たとえば予約変更の連絡でも、単なる時刻変更と、診療上の判断を要する相談は同じ経路にできません。医療上の判断は資格と院内規程に従うことを前提に、事務連絡から適切な担当へ渡す境界を明確にします。
例外は無限に列挙せず、連絡が遅れると困る場面から選びます。夜間、担当者不在、複数部署にまたがる案件などで、相談先と記録場所が一致しているかを確認します。表を作っただけで運用が変わるわけではないため、朝礼や定例会で実際のケースと照らし合わせて修正します。
役割分担表はどのように書きますか?
業務を一つの行にまとめ、実行・判断・相談・記録の役割を分けます。以下は物品補充を題材にした記入例です。役職名を自法人の担当者名や連絡先に置き換え、不在時の代替先も確認してください。
表は横にスクロールしてご覧いただけます
| 業務・条件 | 実行する人 | 判断・相談先 | 記録・受け渡し |
|---|---|---|---|
| 在庫数の確認 | 当日の物品担当 | 不足や記録の不一致は部署責任者へ相談 | 在庫表へ数量と確認日を記入 |
| 補充の依頼 | 物品担当 | 定数内は購買担当、定数外は部署責任者へ確認 | 依頼票へ品名・数量・必要日を記入 |
| 購入の承認 | 購買担当が申請 | 承認権限を持つ管理者が判断 | 承認記録と発注記録を関連付ける |
| 受領と共有 | 受領した担当者 | 数量違い・破損は購買担当へ相談 | 受領日と保管場所を記録し部署へ共有 |
新しい分担をどう定着させますか?
一度に全業務を変えず、対象業務と試行期間を決めます。開始前には処理時間だけでなく、確認待ち、やり直し、問い合わせの往復、職員の負担感も記録します。試行後に同じ観点で振り返れば、単なる「忙しさの移動」になっていないか判断しやすくなります。
厚生労働省の医療勤務環境改善マネジメントシステムも、医療機関による継続的な自主改善の考え方を示しています。法人ごとの職種構成と規程を踏まえ、現場の声を集めて更新することが大切です。
出典・参考資料
参照日:2026年10月6日
制度・公表内容は上記の一次資料をご確認ください
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本記事は一般的な情報の整理を目的としています
個別の判断は法人の状況と最新の制度を確認して行ってください




