この記事の要点
引き継ぎの質を上げるには、情報量を増やす前に「次の担当者が何を判断するための情報か」を決め、記録場所と確認方法を統一します。
- 引き継ぎ項目は次の担当者の行動と判断から逆算する。
- 口頭連絡、記録、緊急連絡の役割を分ける。
- 個人情報の共有範囲とアクセス権は組織の規程に合わせて確認する。
引き継ぎに何を書けばよいですか?
引き継ぎメモを長くしても、次の担当者が必要な情報を探せなければ役に立ちません。まず対象業務を一つ選び、受け取った人が次に行う作業、判断が必要になる条件、確認すべき期限を言葉にします。そのうえで、事実、未完了事項、注意点、相談先を分けて記録します。
「対応済み」の一語だけでは、何を、いつ、誰に確認したのか分かりません。一方、判断に関係しない背景を大量に残すと重要事項が埋もれます。必要な情報を絞る基準は、次の担当者が安全に業務を継続できるかどうかです。
口頭連絡と記録はどう使い分けますか?
急ぎの相談は直接の連絡が必要でも、後から経緯を追える記録も必要です。通常の申し送り、直ちに確認が必要な連絡、管理者による判断の三つで経路を分けると、すべてを同じ会議やチャットに流すより受け手が行動しやすくなります。
記録の置き場所は一つの業務につき原則一つに定め、最新版が分かるようにします。患者・利用者に関する情報は、利用目的、院内・施設内の規程、必要な権限を確認したうえで扱います。便利さだけを理由に個人用端末や無関係な共有先へ複製しない運用が必要です。
引き継ぎメモの記入例
引き継ぎは「完了した事実」と「次に行うこと」を分けると、受け手が動きやすくなります。以下は会議資料の更新を想定した架空の記入例です。患者・利用者の情報は含めていません。
表は横にスクロールしてご覧いただけます
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 対象業務 | 部署会議で使う物品管理資料の更新 |
| 確認済みの事実 | 10月5日、物品担当と在庫表の数量を照合済み |
| 未完了の事項 | 追加購入が必要な2品目の見積金額が未確認 |
| 次に行うこと・期限 | 10月7日の会議前に購買担当へ金額を確認し、資料の該当欄を更新する |
| 相談先・判断条件 | 見積金額が承認範囲を超える場合は部署責任者へ相談する |
| 記録場所・版 | 組織指定の共有フォルダ内「物品管理/会議資料」。更新日をファイル名に記載 |
| 受け手の確認 | 引き継ぎ内容・期限・資料の場所を確認し、確認者と確認日時を記入する |
仕組みが機能しているかどう確かめますか?
担当者が替わった直後の問い合わせ、確認待ち、同じ情報の再入力を振り返ります。新任者が迷った箇所は、本人の習熟だけでなく、項目名や置き場所が曖昧でないかを検討する手掛かりです。改善案は一つずつ試し、現場の負担も聞き取ります。
厚生労働省は介護分野の生産性向上に関し、業務の明確化と役割分担、情報共有の工夫を取組項目として示しています。道具の導入自体を目的にせず、必要な情報が必要な人へ届く流れを整えることが先です。
出典・参考資料
参照日:2026年10月6日
制度・公表内容は上記の一次資料をご確認ください
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本記事は一般的な情報の整理を目的としています
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